3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「確かミロクが言うには……B組だっけ」



B組に行き、ドアの前で彼女を探すが見当たらない。


「あれ、まだ戻ってないのか?」



「あの通れないんで、どいて貰えますか」



恭介の背後から透き通るような綺麗な声。



「あ、あんた!フルートの」


「初対面の人に向かってあんた?なんだ見逃げ男か」



「何、見逃げって?」



「人を見るだけ見て逃げってた奴」



「なるほど」



恭介の予想通り3つ感情のない女の子は、毒舌のSっ気が際立っていた。



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