3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「咲本、昨日何処で何をしていた?」



教頭が詰め寄り、軽蔑の眼差しでミロクに問いただす。



「何でいちいちアンタらにプライベートのこと話さなきゃならねんだよ」



「目上に対する口の聞き方も知らないとは噂通りの不良だな」



「ちょっ、全然状況把握出来ないんですがミロクが何かしました?」



恭介が置かれた状況に疑問を抱き、事情説明を請う。


「君は関係ないだろ、さっさと教室に戻りなさい」



「関係あります。俺とミロクは友達だ、俺にも聞く権利はあります」



「友達?この不良と君が?庇わないとぶっ飛ばすとか脅されでもしたんだろう、じゃなきゃ友達なんか出来るはずないだろう」



教頭の無神経な発言に拳を握り締め、今にも殴りかかりそうな俺を恭介の言葉が止めた。



「ふざけるな!ミロクはそんな低劣な真似しない、教頭のくせに人の気持ちを踏みにじる発言しか知らないんですか?」



< 135 / 218 >

この作品をシェア

pagetop