3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「彼らが咲本くんに命令されて仕方なくやったと明かした。そうだね三村くん、金森くん、中原くん?」



3人は首を縦に振る。



「てめぇら、ふざけた供述してんじゃねえぞコラァッ」



ひったくりを実際に起こしたのは三村達3名。ミロクは恭介と共にストリートを行っていたので全くの無関係であるが教師は信じなかった。



たった一つの理由で。



ミロクが一匹狼不良で不登校。一方三村達は無遅刻無欠勤で成績優秀。



どちらを信用するか、教師達は考える迄もなかった。


「そうやって普段の行いだけで本当の事実を調べもせず、ミロクを犯人に仕立て上げたんですか?」



「人聞き悪いこと言うなよ。日頃の態度が物を言う、誰が見ても同じ答えだ。ですよね校長」



ミロクは諦めかけていた。無駄な足掻きで罪をなすりつけられるのに変わりはない。よくて停学、悪くて退学。どうせ学校に未練はない、好きにしろよと。



「ミロクは無実だ、証拠を見せてあげますよ」



恭介が携帯画面を校長に提示し事態は火急を迎える。


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