3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「教頭先生に……言う通りに咲本くんが命令して脅されて仕方なくやったと自供しろと……本当にすいません。僕たちがストレス発散の身勝手な理由で犯罪を犯しました、咲本くんは無実です!」



三村が勇気を振り絞って真実を述べると他の二人も揃って頭を下げ、ミロクに謝罪した。



「……どういう意味ですか教頭先生。詳しく話してもらえますか?」



三村達の両親は教育委員会の人間、昨日に警察に呼び出された両親は教頭に事実を表沙汰にせず揉み消すように買収した。



丁度いい具合にミロクは担任が頭を悩ますほどの不良で不登校。教頭は彼を利用した、自分の地位を守るために。



真実を知ったミロクは少しの間、安堵と怒りが混濁して言葉が出なかった。



校長は教頭の行動を遺憾に感じ懲戒免職、三村達は二週間の謹慎処分。ミロクと恭介には心から謝罪をして校長自身も減給の処分に実行した。



最初は名誉毀損で訴える気持ちがあったが、無実が証明され泣き崩れるように喜んだ恭介を目の当たりして怒りが何処かへ消え失せた。



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