3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「香奈子を俺が?違うよ、俺と香奈子はそういう関係じゃない」



「じゃあどういう関係?」



怒ってる?あ、それはいつものことか。



「香奈子とは幼なじみで友達。それ以上でもそれ以下でもない」



「……」



今度は黙っちゃった。



「俺は、好きな人が居るんだよ」



やばっ、つい口が滑った。こっから美雪に悟られないよう説明するには……。



「好きな人……」



「そ、そう。だから香奈子じゃない」



分かった、あれだ。買い出しに行くと嘘ついて香奈子を助けに行った、いや迎えに行ったと美雪には感じた。それで機嫌悪いんだな。


「ごめん嘘ついて、緊急とはいえ美雪にも説明すべきだった」



砂利の上で正座は想像以上にキツイ。皮膚にめっさ小石が食い込む。



「緊急?」



俺は美雪に香奈子が引き起こした騒動をポイントを抜き出して簡潔に説明した。


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