3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




しっかり俺の話を聞いてくれた。微かに首が小刻みに動いて相槌を打ってくれてるのも気づける。



変わってきたんだろうか、俺に対する印象が。もちろんプラスの意味でね。



「ふーん、何もなくてよかったじゃない」



さっきよりは明るめの声に変わったか、誤解は解けたみたいだな。



俺は勇気を果汁100%レモンのように振り絞って尋ねてみた。



「聞きたかったんだけど、どうして今日来てくれたの?」



間が開いた、まずかったかな。沈黙は辛いぞ。



「……弟の為って最初に言ったでしょ。他に理由なんてないわよ」



イラスト下手くそだし。



「ごめん」



この状況で美雪の両親を聞くのはヤボだよな。



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