3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴
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次の日、俺は放課後に松本先生を呼び出し二人で話しをしようと試みた。
「どうも」
軽く会釈して、机を懇談のように向かい合う形に移動して座る。
「何改まって、勉強の質問?」
「いえ。単刀直入に聞きますが、松本先生はバツイチですか?」
「何を薮から棒に?確かに私はバツイチだけど……どうして」
「松本美雪、いや比嘉美雪をご存知ですよね」
一瞬視線をずらしたのが見えた、それが確信に近づける。
「この前一日で実習を辞退した彼女、貴方の実の娘ですよね?」
「それは……」
「彼女は幼い頃離婚して母親は弟と自分を捨て外国へ行ったと話してくれました。だから最初、先生も成長した彼女を見ても分からなかった」
「……」
「彼女は今も母親を憎み恨んでると言った。だけど心に嘘はつけなかった、先日彼女はジュエリーショップで“傘のピアス”を購入していたんです」
ポタポタと机に雫が滴る……頭を抱えて泣き出す松本先生。
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次の日、俺は放課後に松本先生を呼び出し二人で話しをしようと試みた。
「どうも」
軽く会釈して、机を懇談のように向かい合う形に移動して座る。
「何改まって、勉強の質問?」
「いえ。単刀直入に聞きますが、松本先生はバツイチですか?」
「何を薮から棒に?確かに私はバツイチだけど……どうして」
「松本美雪、いや比嘉美雪をご存知ですよね」
一瞬視線をずらしたのが見えた、それが確信に近づける。
「この前一日で実習を辞退した彼女、貴方の実の娘ですよね?」
「それは……」
「彼女は幼い頃離婚して母親は弟と自分を捨て外国へ行ったと話してくれました。だから最初、先生も成長した彼女を見ても分からなかった」
「……」
「彼女は今も母親を憎み恨んでると言った。だけど心に嘘はつけなかった、先日彼女はジュエリーショップで“傘のピアス”を購入していたんです」
ポタポタと机に雫が滴る……頭を抱えて泣き出す松本先生。
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