3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




夕日が沈み鳥が心地好く鳴く頃。



授業を終え美雪は今朝、ミロクに頼まれたフルートを優子に教える為に音楽室を訪れる。



「あたしどうして断らなかったんだろう」



誰とも関わらず心を閉ざしていた美雪が、恭介やミロクと関わることで確実に変化を遂げていくことに疑問を感じずにはいられない。


ドアを開けると夕日を浴びたカーテンが靡(なび)く、そこに座っていたのは優子ではなく美雪の母親松本先生と恭介であった。



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