3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




「和んできたな。事前に調べてきたとは中々あいつもやるではないか」



数メートルどころか、真後ろまで接近しちゃった恭介。ミロクは呆れるしかない。



「バレるだろうが……アイツ天然でやってんじゃないだろうな」



必死でうちわを扇ぎ、手を拱いて恭介を呼び寄せるミロクの姿も、端から見れば変態。



「早く戻ってこいバカ!二人に見つかったら元も子もねえだろ……マスクで暑いしイラついてきたー」



「イイカンジだぜ、あの二人!ミロクのデートプランも役に立つ機会なさそうだな」



呑気に戻ってくる恭介の頭部に、うちわでひっぱたいた。



「ってェ!」



「お前……ハァハァ……考えて行動しろよ」



脱水症状気味のミロク。



「大丈夫か?」



「とりあえず水分補給しようぜ。結衣ちゃん達なら心配ない、むしろ俺が心配」



ミロクが顔色赤信号なので、水分補給に向かう。



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