3つ感情をなくした彼女〜左耳にピアスの穴




ミロクの耳に入ってきた奇妙な振動音の正体は恭介の携帯マナー音。



着歴は秋山香奈子。



「香奈子……」



「香奈子?香奈子って部活じゃねえの」



「あいつヤンキーだから帰宅部だよ。折り返しかけてみねえと分からん」



とにもかくにも秋山にリダイアル



「もしもし、雪村!」



「うぉっ1コールで出た」



秋山の声は大きくミロクにも普通に聞き取れる。



「あんたの妹、結衣ちゃんだろ?」



「結衣……結衣がどうした?」



「学校で体調崩したみたいで、今ウチの病院に居るから迎えに来い」



「体調……大丈夫なのか?」


「大したことない。薬飲んで寝れば大丈夫だってよ」



「分かった、すぐ行く」



電話を切り俺は荷物を整理する。



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