白衣越しの体温




九鬼島 愛。(クキシマ アイ)

気付いたみたいだな。

コンコンッ

「どーぞ。」

「どうも。九鬼島です。あの…」

さあ、どうでるつもりだ?
「白衣、ありがとうございました。」

返って来たのは言い訳でもなく本当に何でもない礼の言葉だった。


「は?…あ、あぁ。まあ、礼には及ばない。」

どういうつもりだ九鬼島。正直こうでてくるとは…予想外。

九鬼島は綺麗に畳んだ白衣を俺に手渡し、一礼して去ろうとした。





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