白衣越しの体温
「おい、でも慧…九鬼島が目覚めるまでに時間がかかるんじゃないか?」
「そーなんだよな…」
困った、というような顔をしているつもりなんだろう、慧。
残念ながら変わらず無表情だ。
「恐らく、俺がなにか話しても無駄に等しい。なぜなら、…こわがって近寄りもしないだろう。」
孝明とも気まずくなることは目に見えてるしな。
よってお前ら三人にまかすのが得策なわけだが。
恐らく以前の経験からして5時間は目覚めないだろう。
よって、3時頃。
保健室集合だ。
その前に目覚めたら…なんとかする。
孝明がな。
「あぁ、また俺か。いい。もう突っ込まん。」
一通りしゃべり終えた慧はふぅ、と一息ついて立ち上がる。