白衣越しの体温
〜とりあえず落ち着け〜
ふぅ、やっと終わった。
約束の時間。俺は保健室へ向かう。
紫乃宮たちは俺の授業が終わるとどこかへ行ってしまった。
一様止めはしたが俺も次の授業があるからな。
こればっかりはどうしようもない。
だんだんと近づいてくる保健室の前に人影が三つ。
?なにしてんだあいつら。
その目立つ髪の色と人数で目の悪い俺にも誰だか判別がついた。
「どうした?」
「お、弥島ちゃんやん!」
「誰が弥島ちゃんだ、誰が!先生だろ。」
軽く杏條を小突くと暴力はんた~い!!
とオーバーリアクションをとられた。
「知るか」
かるくあしらって藤堂に何かあったのかとたずねると
「いや、霧島ちゃんが・・・」
苦笑いを浮かべて少しあいた扉を覗くように促す。
そこには先ほどとはうってかわって意気消沈・・・
というよりもはや抜け殻のように脱力している慧の姿があった。