白衣越しの体温
~仕方がない事もある~
「はい、どちら様です…かっ!!!!」
くらえ。
力いっぱいドアを開くと、案の定ゴスンっとすごい音がして、
してやったり、とほくそ笑む。
ぴくぴくと引きつる表情筋をおさえつけ
ドアに跳ね返されたそいつの顔を拝もうと俺は顔をのぞかせた。
…………
「九鬼島…なにしてるんだ。」
そこにはでこをおさえてうずくまっている九鬼島がいた。
少々涙目なところを見る限り相当痛かったらしい。
「大丈夫か…?」
自分でやっといてなんだが申し訳なくなった。
数回問いかけても無言だった九鬼島をとりあえず部屋にあげる。
さすがにあそこで放置するほど俺は鬼じゃない…つもりだ。