白衣越しの体温
「先生、?具合がよろしくないのであれば、横になられたほうが。夕飯、作りますから。」
気を使って声をかけてくる九鬼島。
俺は少し悩んだ後、ちょいちょいと手招きした。
「飯…頼む。でも、後でいい。」
もういい、今日は。おかしいならとことんおかしくて。
もう、考えるのもめんどうだ。
今日が終わったら、明日は普通の俺に戻ってる。
いや、戻る。必ず。
俺はソファに横たえて
「なんか、話せ。」
と無茶な命令を申し付けた。
「ふむ…、必然的に自分は床に座ることになるんですね。」
「なんだ、膝枕でもしたいのか。」
「いや…向かい側に座るという選択肢は」
「却下。そこにいろ。さぁ、話せ。」
有無を言わせない態度で促すと九鬼島は少し悩んでから口を開いた。
「……ホムンクルスとはフラスコの中に「没。」」
「とある村に代々伝わるらしい「没だろ。」」
「まh「没没没没。」」
「…まだ「ま」しか喋ってないのですが。」
「どうせ魔法がどうのこうのとかいう話だろ。」
「……。」
「図星か。」
「なにか問題でも」
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