白衣越しの体温
~ある意味天性の~
「おい、いい加減立ち直れ。」
「こんな屈辱を味わったのは初めてです…っ自分の中で最上級の笑顔(のつもり)だったのに。」
「いや、冗談だろ。よかったよ。最高だった。(いろんな意味で)世界一いい笑顔だったって。(ある意味で)」
ますます落ち込む九鬼島に慰めの言葉をかける優しい俺。(←ちょっと楽しい。そして自分で言う。)
「馬鹿にしてますね。心の声が聞こえてます。すみませんね、素が素だと限界と言うものがあるのですよ。」
ぶすくれる九鬼島をなんとか立ち直らせようと思った(本当か否かはご想像にお任せ)俺は仕方なく自分から話をふってやる。
「そういえば…お前、あれだろ。あれ。あのー…あれ。」
「どこの爺さんですか。」
「うるせぇな。あの~…あれだよ。そうそう。」
「先生も話すことないんじゃないですか。」
「いや、あるっつーの。ほら、そう、妹は元気か。」
「家には姉しかいませんが…。」
「……。ばーか。ボケだよボケ。俺だってたまには面白いこというんだよ。」
言いながらそっと手にクッションをとって顔の上に被せる。