白衣越しの体温
「…もしかして、照れてますか。」
「は、何言ってんだ。なにに照れるんだよ。まぶしいだけだ。」
「じゃぁクッション外してみて下さい。」
「眩しいから、無理。」
急に静かになった部屋に
そっと気づかれない程度にクッションをずらして盗み見ると、必死に笑いを堪えている九鬼島が見えた。
なんだよ、ちゃんと笑えてんじゃねぇか…
自分を笑っているというのが若干腑に落ちなかったが、まぁ、いいか。と思う。
「今日の先生は、可愛いですね」
もうやだ、こいつ。
ほんとヤダ。
可愛いなんて言われたって全然嬉しくねーけど。
その顔はだめだろ。
「なにそれ、褒めてんの。」
当分クッションは取れそうにない。