白衣越しの体温
あぁ、なんで会って間もない人達に、しかも教師に家庭内情を話してしまったんだろう…わからない
わからない
考えれば考えるほど苦しくなって、胸が締め付けられていくっ…息が…できなっ…苦しっ
「ぁっ…はあっ…ふっ」
なんだ?!どうした
九鬼島は急に苦しそうにし始めた。
頬が蒸気し目は熱っぽく潤んでいる、表情が…いかんいかん!!
「おい!九鬼島?九鬼島っどうした?!」
うずくまって悶える九鬼島の上半身を抱き起こし腕に寄り掛からせて支えた。
「はぁっ…はっ…んっあっ…ふぁっ…苦しっ…」
おいおいなんて声だすんだ、変な気分になるだろう。
「おい、九鬼島。今服用している薬とかないのか、」
慧は質問をなげかけると九鬼島は震える手で隣にあった鞄を指した。
そうだ、なにを考えてんだ俺は!九鬼島の容態が最優先だろ
慧が水を取りに行っているあいだに俺は九鬼島の背中をさすって落ち着かせることにした、
「大丈夫か?落ち着け、大きく呼吸するんだ、」
「はぁ…っはぁっごほっごほっ……っはぁ」
「おい、薬。飲めるか?」
慧がもってきた薬と水を受け取り飲んだ九鬼島は、荒かった呼吸がおさまり目がどんどん虚ろになっていく。
目に溜め込んでいた水が零れ落ちた時には、もう九鬼島の意識はなかった。
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