白衣越しの体温
起きた私に保健医、霧島先生が全て教えてくれた。
只今二人が並ぶソファーの下で正座中だ。
「全く!こんだけ俺達を振り回しておいてなにも覚えてないだと?!」
あっあんなことまでしておいて…
とかなんとかぶつくさ説教し始める弥島担任。
「誠に申し訳ございませんでした…。反省してます。眠ると起きないたちでして…。重かったですよね、」
「っまぁ、今後気をつけろよ。あと、授業中寝たら職員室に呼出しだからなっ。」
なんだかんだ優しい担任だ。
「はい、本当にお二人とも、ありがとうございました。」
世話になったらしっかりお礼をするのが筋というものだ。
感謝を込めて深々と頭をさげた。
その後、
「九鬼島、お前、発作もち?」
なんて言葉から昔から体が病弱だったことなど、たくさんのことを話した。
普段なんとなく感じていた淋しさも忘れて楽しい時間を過ごした。
「はぁ、つい話しこんじまった。こんな時間まで生徒起こしとくなんて保健医としてアウトだな。」
「俺も教師失格だ…。」
「大丈夫です。先生達は失格なんかじゃありませんよ、なんか色々と助かりました。」
ネガティブな言葉が出て来るわりに過ごした時間に後悔はないように思えた。
「今日のことは…3人だけの秘密で」
にこっと形のいい唇に人差し指をあてて小声でつぶやく九鬼島。
すこぶる機嫌がいいようだ。
「あっあの、…」
「なんだ?」
「どうした九鬼島。」
「……なんでもないです。おやすみなさい。」
最後のはなんだったのだろう。
そんな疑問を残し九鬼島は自分の部屋へもどっていった。