白衣越しの体温








場所は変わって秘密の庭。

泣きながら飴を食い鼻をかむ九鬼島。

「っわ、たし…もう、終わっただっ」


何弁だ。

「明日から保健室登校しまずっ…ふぇっ」



「何故そうなる」

もっともな意見だ孝明。

「だ…てっ私のっせーしゅ、んは、も、終わ…た…だもん」

だもんて・・・キャラ崩壊もいいところだ。

「だからって教室にこない理由にはっ」

「いっ…やっ」

ぎゅうっ

何故か九鬼島は俺の白衣にしがみつき後ろに隠れてしまった。



人格3。駄々っ子九鬼島としよう。


「だがな九鬼島、授業にでないと成績にも響くし…」


「せっ…せいは、わた、しが側にっいちゃ………や?」







「すまない孝明。」




「慧!?」



「ね、せんせ、…許してよ…。」

ぽた…ぽたと目から大粒の涙を零れさせ孝明に悲願する。


「俺は負けない俺は負けない俺は負けない…」

ぶつぶつぶつぶつ…


無駄なあがきだな


男はギャップにくるという話を聞いたことがあったがあながち嘘でもないらしい。

「……っもういぃ…です。
たか…あきせんせ…のばかっ」


チェックメイトだ。








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