白衣越しの体温

｢申し訳ない、突然押しかけてしまって…。しかも呑んでる最中に…。｣

お前は武士か。




｢いいって。まぁ、話しなさいな。｣


慧は酒をのみながら話せといった。



あぁ、もうこうなったら乗り掛かった船だ。きいてやろうじゃないか。



長々と語りだした九鬼島は今にも暴れだすのでは？というほどの勢いで愚痴をこぼす。



｢と、言うわけで母と喧嘩になりまして…出家してまいりました。｣


ここは駆け込み寺じゃない。



｢そうか…。色々大変そうだな、｣


あえてそこをスルーした慧は明らかに適当だ。

いや、親身になって聞いていた俺が馬鹿だったのだろう。
おかげで非常に疲れた。