白衣越しの体温
今止めなければ、九鬼島との距離が離れてしまうと思った。
そうしたら身体が勝手に動いて、気付けば……………俺は、九鬼島を腕の中へとおさめていた。
「悪い癖だな。本当に…お前は。思い込み激しすぎだ…」
「っ聞いて…たんですか」
「あぁ。お前が意外とガキだってこともよーくわかった。」
「………」
「言っておくが俺は迷惑だなんて思ってないからな。甘えたいときくらい甘えていい。泣きたいときは泣け。」
俺は九鬼島を抱く腕に力をこめた。
「だから…そんな淋しい顔するなよ。」
笑えよ。
「学校以外でなら、兄と思ってくれて・・・・・・かまわない。」
兄で・・・いいのか?
それをお前が望むなら……。
「はいっ…」
出会ってから5日。
図太そうに見えて脆くて、繊細で。
意地っ張りで、なんでも自己完結してしまう馬鹿が
気になって気になって仕方のない俺は、
もっと馬鹿だと思う。
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