白衣越しの体温
〜結局のところ〜
保健室が鬼ヶ島と呼ばれ、相談室となってからはや数週間。
九鬼島の様子がずっとおかしい。
おかしいのは何時ものこと、という突っ込みはともかくとして、本当におかしかった。
相談が終わって授業時間になると、デスクで作業をしている俺をカーテンの隙間からじっとりと見てくる。
なんなんだ。
若干気味が悪いだろうが。
思えば九鬼島は休み時間は話しかけてくることがあっても、授業時間になって俺がデスクにむかいだすと滅多に話しかけてくることはなかった。
九鬼島なりに気を使っているのだろう。
だから、九鬼島が話しかけてくるのは主に休み時間。
それか、休憩でコーヒーを一緒に飲むときか、孝明がフリーな時間、つまり俺達が職務放棄をしているときくらいだった。
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