白衣越しの体温




「やあ…まったく。義琉のやつ、勘弁してほしいよねぇ。お兄さん、猫じゃないんだから、」




「ほんと勘弁してほしいわぁ。塀をつたったん人生初……でもなかったわ」



しっとりとした喋りと、訛ったような喋りの少年たちはひたすらけものみちを進んでいた。




先頭をきる少年は目の前に現れてきた出口らしきものをとらえ声をあげる。



「おぉ?出口見えたかもしんない。」





そして少年たちは、体を掠める木々を押しのけやっとのことで、

塀から降りることができた。



すとっ






「…はぁ。良い度胸してんじゃないの。」



どてっ


「どしたん?………………しばくで。えぇ?えーよな。うん。」










今日の芝生も空も、ただただ青い。




変わらない日常の中での、

些細だけど、


凄く奇妙な光景。



「まって。…そのまえに、写真とって長く苦しめてやる。」


「えぇんかい。しかもお前のほうがえげつないわ」

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