白衣越しの体温




どうやら、彼は天使ではなかったらしい。



白くて美しい肌と、光りを浴びてキラキラと輝く銀髪。


そしてよくはえるワインレッドのビー玉のような瞳は正に天使というに相応しかった。




それよりも…私はなにやら悪いことをしたのではないだろうか。



謝るべきなのだろうか…名前すら名乗っていないし。



「…あの、私、九鬼島 愛、と申します。先程は無意識ながらに無礼を働いたようで、まことに申し訳ない。」


と、自己紹介をかねてお詫びをした。
すると、めのまえの少年達は次々に許してくれたのだ。




「…まぁ、たいしたことじゃないよ。」


「そーやで、みんなこの白髪がわるいんよ。顔あげ!」


「別に、もういいぜ!俺様は心が広いかんな。有り難く思え!あと俺は悪くねぇ。しかも白髪じゃねぇ!」




…少々わずらわしいが、いい人達だ。←(酷い)






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