白衣越しの体温




いつもより少し早く来てなにかそわそわしている霧島先生と言葉をかわす。


なんだか悶々と考え事をしているのか苛々しているのか眉間にしわがよっていた。


こういう時は、一人にしてあげたほうが良いのだろうか。


もしかしたら自分に腹を立てているのかもしれん。

思い当たる節が多すぎて、最終的にあの場所へ行くことに決めた。




まだまだ春は始まったばかりで、色々あった気もするが、至極短い時間だったのだと物思いにふけり始めた。





そういえば昨日、平和条約を結ぼうとしたら・・・流れで略奪ゲームの開戦へ発展してしまった。

誰と?

もちろん。昨日の3人の訪問者だ。

自分が覚えている彼らの印象は、「メダルトリオ」(勝手に命名)

落ち着いた金色の髪

美しく輝く銀髪

鈍い光を放つ赤みがかった銅色

どれも美しく印象的。

特に、銀色の髪を持つ少年には並々ならぬものを感じた。
最初は天使かと思うくらいの神々しさ・・・だった。




いや、今最優先して考えねばならぬことは他にあるだろう。


まず、これはどういった展開なのだろう。

とりあえず、勝手にゲームをおっぱじめてしまったが、先生に無許可だったことを思い出し、霧島先生に話した。



ら、普通に激が飛んできた。








なぜなのだろう。




そんなことより、今日はいい天気だ。



頭を駆け巡っていた事柄は頬をなでる風に溶けて、変わりにとでも言うように眠気を運んできた。




まだ、誰もいない。


誰かくれば起こすだろう。







< 88 / 141 >

この作品をシェア

pagetop