白衣越しの体温
何時だ。
何時飛び込めばいい。
奴らは何時奇襲をかけてくる・・・。
九鬼島が登校して、少しの言葉をかわし、すぐにあの場所へ入っていくのを確認するとひっそりとドア越しに座り込んで耳を澄ませた。
まて、職務はどうした。俺はここで何をしている。
不良生徒を追い返すんだろ?
そうだ。それは職務の一環だよな。
ならなぜ堂々と入らない。
入らないなら此処にいる意味は・・・
職務怠慢か?
いや、もとより真面目に働いていたことなんか無に等しいじゃないか。
そう、今日は偶然。偶然仕事が昨日までにかたづいて暇なんだ。
昨日九鬼島にあんな訳の分からない話を聞いたら俺だって教員だしな。
なにより自分のテリトリーと侵略させる訳にはいかない。
まてまてまて、どうした俺。
いっていることがめちゃめちゃじゃないか。
どうしたんだ・・・。
そうか、俺は・・・心配なのかもしれない。
九鬼島がいつもより早く登校してきたこと、
すぐにあの場所へ向かっていったこと
あいつらが来るのを楽しみにしているんじゃないか
もしそうなら、俺が奴らを追い返したら?
九鬼島は悲しいか?
九鬼島の思いとは裏腹に、余計な心配をして悩む霧島。
彼の答えは・・・?
次につづく。