愛する故に…
「ねぇ、椿。最近 あんまり遊ばなくなっちゃったね」

美結に言われた。

「今度の土曜日、会社の食事会なんだけど、椿まだ返事出してなかったよね? 
 出れる?」

あ、そっか・・・忘れてた。
今年入った小池君の誕生日会も兼ねてるやつ。
出席しないとやばいよね。


でもなぁ、土曜日だったよね。
いつもは賢悟と一緒に居るんだけど。
出かけるからって事言わないとね。
勝手に出かけちゃったら、きっと凄く心配しちゃうもん。
私は美結に

「その返事 明日まで待って貰ってもいい?
 賢悟に聞いてみないと。。。
 土曜日 向こうが休みだから・・・」

美結はしょうがないなぁ~ってような軽いため息をついてから

「いいよ♪ 愛しのダーリンに確認取ってからでも。
 参加してくれたら 私は嬉しいけどね」



帰宅後―――

「ねぇ、賢悟。
 今度の土曜日 会社の食事会があるんだけど、
 私 行ってもいい??
 返事出すの遅れちゃってて、明日までに言わないといけないの 忘れてたの・・・」

「え??」

一瞬、賢悟は怪訝な顔をしたけれど、すぐに笑顔で

「ああ、いいよ。気にしないで行っておいでよ。 楽しんでおいで」

それを見て、私も安心した。

賢悟、ごめんね。
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop