言霊師

「な…何をした!?今のを避けられるわけが―――」


「何に怯えてるんですか?」


「は?」


「誰かの駒として動いているなら、やめた方が良い。そいつは貴方を、棄て駒としか思っていない。」


「何故そんな事が言えるんだ!!!」


胸中では、常に思っていた。言葉にすると、それが言霊になって彼――シンの所へ駆けてしまい、彼が殺しに来るのではないかと怖かっただけで。

シンは、使い捨てる人間を欲しいが為に、自分にこの力を与えられたのではないか―――

そう、思わざるを得ないでいた。
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