言霊師
自分に出来るのかなんて、考えなかった。やらなければならない気がしたから。
だけどこの時、一言主以外は気付いていなかった。
喧嘩を売られた事を知り、薄く笑っているシンでさえ気付けないでいた。
もはやそれが、彼らだけの戦いではなくなっている事に。
「……あ奴は、どうやら血迷うたらしい。」
「真に、めでたい奴よ。だが、まぁ…丁度良いかもしれぬなぁ。」
「ハハハ!確かに。…所詮、一言主など――」
―――墜ちた神に過ぎぬ。
葛城の神々が、蔑み笑うその声を
一言主だけが聞いていた。
…聞こえていた。
だけどこの時、一言主以外は気付いていなかった。
喧嘩を売られた事を知り、薄く笑っているシンでさえ気付けないでいた。
もはやそれが、彼らだけの戦いではなくなっている事に。
「……あ奴は、どうやら血迷うたらしい。」
「真に、めでたい奴よ。だが、まぁ…丁度良いかもしれぬなぁ。」
「ハハハ!確かに。…所詮、一言主など――」
―――墜ちた神に過ぎぬ。
葛城の神々が、蔑み笑うその声を
一言主だけが聞いていた。
…聞こえていた。