言霊師
まだ名も教えられていないが、呪縛から解放してくれるのはこの人しかいない。
だから、教えてしまおう。
言霊師になれなかったのは癪だけど、自分が知る言霊遣い達の情報を。全て。


そう思って顔を上げた勇次は、誰かに肩を掴まれた。


「あれ?まだいたのー?」


固まったまま頷く事すら出来ない勇次は、やっとの思いで振り返りその人物を確認する。

テンションの高い弾む言霊を多発させているのは、やはり、悠(ハルカ)だった。


勇次の態度や表情からただならぬモノを感じ取ったヒョウリは、悠を横目でチラッと見る。
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