言霊師
執行
――――――
一言主が姿を消してから、いや、勇次がヒョウリと行動を共にするようになってから、言霊遣いに動きはなかった。
見張り役であるはずの悠は、勇次に“約束”の事を全く言って来なくなったらしい。
それをおかしいとは思うものの、言霊遣いが動かないならば放っておけば良い、というムメの意見ももっともで、ヒョウリも構えすぎずに普通の日々を送るようにしていた。
「ねぇ勇次、何読んでるの?あー…バイト探し?」
「はい。ムメさんはバイトしないんですか?」
「もう“お仕事”してるもの。まぁ…お金にはならないけど。」
ムメと勇次が仲良さげに話す横で、ヒョウリがお茶の用意をしている。二人を会わせ、勇次の事をムメにも全て話したのは、神が消えた次の日。家を知っているムメが、ヒョウリの家に来た時だった。
一言主が姿を消してから、いや、勇次がヒョウリと行動を共にするようになってから、言霊遣いに動きはなかった。
見張り役であるはずの悠は、勇次に“約束”の事を全く言って来なくなったらしい。
それをおかしいとは思うものの、言霊遣いが動かないならば放っておけば良い、というムメの意見ももっともで、ヒョウリも構えすぎずに普通の日々を送るようにしていた。
「ねぇ勇次、何読んでるの?あー…バイト探し?」
「はい。ムメさんはバイトしないんですか?」
「もう“お仕事”してるもの。まぁ…お金にはならないけど。」
ムメと勇次が仲良さげに話す横で、ヒョウリがお茶の用意をしている。二人を会わせ、勇次の事をムメにも全て話したのは、神が消えた次の日。家を知っているムメが、ヒョウリの家に来た時だった。