言霊師

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「悠…何故呼んだか、分かるかな…?」


ヒョウリ達が明日の文化祭で会う約束をして別れた頃、慎の屋敷には悠が呼ばれていた。外は既に暗い。必要最低限の灯火だけでは庭を眺めながら話す慎の顔は伺えず、僅か苛ついてしまう。

本当の所、苛つく理由は、悠のｻｰｸﾙが文化祭で出店する為そちらの準備で朝が早く、こうして呼ばれた事自体が面倒な事だったから…だが。


「勇次の事ですか?
シン様から、“何もするな”と命ぜられた通り、本当に何もしてませんが。」


「明日は期日だ。」


「……殺るんですか?」


「そう望むなら、今此処で奪っても良いが…そう死に急ぐ事もないだろう?」