言霊師
「…君が、悪いんじゃないのに…」


直接捜しに行くか、先にこいつらを連れて移動するか。

静かに次の手を考え始めたヒョウリの腕を、式神がクイと引っ張る。


「何?どうか……」


どうかしたのかと聞く声は途絶えた。

腕を掴む彼女が指差す地面、つまり、先程言霊が消えた場所。

そこには、『捜』が纏っていた色でこう書かれていた。



―――いつかのあの場所で



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