言霊師
老人が次に告げた言葉を聞き、慎は一瞬表情を消し、
そして
口元だけで笑った。
老人はそれだけを告げると一礼をしてすぐに葛城へ戻っていった。その後ろ姿を見送る事なく、慎は自室へ下がり、文机に座る。
「“好きにしろ。葛城の神は関わらぬ”、か。下界の有象無象がどうなろうと、高見の見物…良い御身分だ。
だが…もう二度と貴様らになど従わぬ…
関わらぬというのならば、嫌でも関わらせるまで。
―――思い知るが良い。あの時から……」
あの時から、どれ程苦しんだか。
そして
口元だけで笑った。
老人はそれだけを告げると一礼をしてすぐに葛城へ戻っていった。その後ろ姿を見送る事なく、慎は自室へ下がり、文机に座る。
「“好きにしろ。葛城の神は関わらぬ”、か。下界の有象無象がどうなろうと、高見の見物…良い御身分だ。
だが…もう二度と貴様らになど従わぬ…
関わらぬというのならば、嫌でも関わらせるまで。
―――思い知るが良い。あの時から……」
あの時から、どれ程苦しんだか。