言霊師
ムメの姿をした式神に微笑みかけ、捕らえていた言霊遣い達に視線をやる。彼らを囮にする必要はなくなったのだ。ならば、もう解放して良いだろう。そう考えたヒョウリは、敵だというのにいとも簡単に戒めを解いた。
「もう用はないからね。
じゃあ、せいぜい慎に殺られないように頑張って。」
ヒラヒラと手を振るヒョウリの姿は、式神と共にその場から忽然と消える。
それを呆然と眺めていた遣い達だったが、その瞳はそれからたった数秒後には、何も映す事が出来なくなった。
―――大学祭に来ていた人の話では、突如爆破音がしたが、祭の花火かと思った、との事。
―――発見者の話では、キャンパスから少し坂を登ったバス停付近から煙が上がっていたので見に行ったら、道路が焼け焦げていた、と。
そして、そこにいた人達は即死だっただろう、と。
「もう用はないからね。
じゃあ、せいぜい慎に殺られないように頑張って。」
ヒラヒラと手を振るヒョウリの姿は、式神と共にその場から忽然と消える。
それを呆然と眺めていた遣い達だったが、その瞳はそれからたった数秒後には、何も映す事が出来なくなった。
―――大学祭に来ていた人の話では、突如爆破音がしたが、祭の花火かと思った、との事。
―――発見者の話では、キャンパスから少し坂を登ったバス停付近から煙が上がっていたので見に行ったら、道路が焼け焦げていた、と。
そして、そこにいた人達は即死だっただろう、と。