言霊師
やけに浮かれている鈴木と別れた場所は、自分の家までは徒歩で20分というところ。


今の時刻は。


「まだ5時前か。」


腕時計を確認し、そう呟く。

DVDは見たいが、今から見てしまったら、きっと夕飯を作るのが面倒だし…と思いつつも、家に向かって歩く。

一人暮らしなので、家に着いても誰もいない。

―――はずだが、何しろ彼は言霊師であり、この世には言葉が溢れている。


なので、家の中はこのような事になっている。
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