言霊師
買い物をしにやって来たショッピングセンターには、まだ人が多かった。

けれど、こういった場所では軽い話を交わす事がほとんどなので、漂う言霊は儚いものばかりだ。

楽に買い物を済ませたヒョウリは、帰路で誰かにつけられているのに気付き、神経を研ぎ澄ます。


(…店を出た時から、ずっとだな。)


「――…『目(モク)』。」


囁くような小さな声でそう呟き、生まれた言霊を肩に乗せた。

背後を見る事は出来ないので、言霊を目の代わりにしようというのだ。


「…何が見える?」


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