言霊師
突然ヒョウリは、“ムメ”という名を漢字で記すとどうなるのかが気になった。

気付けば、僅かに呼吸が浅くなっている。

もしかしたら…


「気付いた?」


グルグルと混乱する頭を整理するので精一杯なヒョウリに、ムメは静かに声をかけた。

目は、怖いほどに真剣だ。


「始末すると言っても…それなりに心は痛むの。
だから、決める事にした。
一言主とも相談して、ね。

言霊師を消す。
――つまり、“言霊を消す”力を与える者を。」
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