言霊師
基本的に今のような男性の姿で現れる事が多いが、神は実体を持たない為、青年だったり老人だったりと年齢は好きに変えている。

言葉を司るだけあって、耳に残る美しい声だという事だけは、変わらなかった。


「…僕は、知らない間にムメさんに恨まれていたようです。」


「何故?」


「貴方が原因なんじゃないですか…」


ムメに布団を掛けてあげながら呟いたヒョウリの言葉は言霊になり、親を見つけた子供のように一言主の元へ駆け寄って行く。


(……コイツらにしてみたら、飼い主みたいなものなのかな。それにしても…)


やはり、うさん臭い。


そう思い、ただ座るのに飽きたのか適当に部屋を物色し始めた神に対し、疲れた視線を投げたのだった。
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