言霊師
神を見続けていてもどうしようもないので、何か飲み物でも用意しようと考えつき、ヒョウリは台所へ消えた。
すると、それを見計らって、それまで遊んでいた一言主はムメの横に来て、腰を下ろした。
その表情は、柔らかく笑っていたものの、何処か悲しそうだった。
「…すまぬ。そなたを護る事は出来ぬのだ…。
本当は―――初めて逢った時から、ずっと見守ってきた。出来る事はそれしかない、と、そう思って。
…誰よりも、魂はそなたの側に在るつもりだった……」
聞く者の胸を締め付ける、切ない告白。
偶然その告白を“視た”ヒョウリが台所から出れずにいると、思ったより早く覚醒したムメが上半身を起こす。
すると、それを見計らって、それまで遊んでいた一言主はムメの横に来て、腰を下ろした。
その表情は、柔らかく笑っていたものの、何処か悲しそうだった。
「…すまぬ。そなたを護る事は出来ぬのだ…。
本当は―――初めて逢った時から、ずっと見守ってきた。出来る事はそれしかない、と、そう思って。
…誰よりも、魂はそなたの側に在るつもりだった……」
聞く者の胸を締め付ける、切ない告白。
偶然その告白を“視た”ヒョウリが台所から出れずにいると、思ったより早く覚醒したムメが上半身を起こす。