言霊師
二人が慕い合うようになったきっかけも、
この先に希望があるのかどうかも。
ヒョウリには分からなかったが、せめて、二人が悲しむ事のないように……と、そう思っていた。
…そんな風に未来に想いを馳せなければ、今の幸せそうな二人を見ていられなかったから。
眼裏には、既に声すら忘れてしまったある人の姿が浮かぶ。
「―――…もう…」
貴女に会えないんですか…?
消入りそうな言葉は、冷え込んで来た外の空気に溶けて、どこまでも空へ―――
届かない所へ。
この先に希望があるのかどうかも。
ヒョウリには分からなかったが、せめて、二人が悲しむ事のないように……と、そう思っていた。
…そんな風に未来に想いを馳せなければ、今の幸せそうな二人を見ていられなかったから。
眼裏には、既に声すら忘れてしまったある人の姿が浮かぶ。
「―――…もう…」
貴女に会えないんですか…?
消入りそうな言葉は、冷え込んで来た外の空気に溶けて、どこまでも空へ―――
届かない所へ。