言霊師

「―――あ、今日ムメさんと会う約束したんだった。」


ついさっきまで会っていた気もするが、ムメと約束をしたのは事実。

昨夜、思いがけずムメが同じ大学にいたと知ったヒョウリは、酒が入ったからか一言主に会えたからかは知らないが少しハイテンションになっていたムメに、キャンパスで会おうと誘われた。


『大学でね、仲間と会わないかなー…って、去年からずっと思ってたの。
普通に接してくれる言霊師で…しかも同じ大学っていう誰かと出会えたら、話が合いそうじゃない?
―――ほら、身内は皆私の仕事を知っててあまり近寄らないっていうか、遠巻きにしてるから。それに、普通の友達と居ても言霊の話できないでしょ。』

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