言霊師
そう語る彼女に、否定的な返事などできるわけがなかった。
寂しそうに見えたのが勘違いでなければ、ムメは一人でいる事が多いのだろう。
友達は居ても、彼女がしている仕事については口が裂けても言えない。悩みがあっても、言霊師に関する事は何一つ相談出来ない。
言霊で相手の本心が視えてしまう辛さや、それを誰にも言えないもどかしさは、ヒョウリにも分かる。
それに加えて、“仕事”をしている彼女は―――きっと、心が休まる事などないのだろう。誰かに全てを話してしまいたいのかもしれない。
だから、
『いいですよ。じゃあ…明日の放課後、時計台の所で。』
笑顔でそう答えた。
心から。
寂しそうに見えたのが勘違いでなければ、ムメは一人でいる事が多いのだろう。
友達は居ても、彼女がしている仕事については口が裂けても言えない。悩みがあっても、言霊師に関する事は何一つ相談出来ない。
言霊で相手の本心が視えてしまう辛さや、それを誰にも言えないもどかしさは、ヒョウリにも分かる。
それに加えて、“仕事”をしている彼女は―――きっと、心が休まる事などないのだろう。誰かに全てを話してしまいたいのかもしれない。
だから、
『いいですよ。じゃあ…明日の放課後、時計台の所で。』
笑顔でそう答えた。
心から。