人魚の涙 ~マーメイ・ドロップ~
第一章 不思議な彼女。
自殺志願者。
春。
僕は、幼い頃から馴れ親しんでいた都会を離れ、高速フェリーで三時間の海に囲まれた島に来ることになった。
なぜこうなったのかと言えば、僕の中学校三年生の時点においての成績が非常に悪く、志望していた公立校はもちろん、近場の私立高校にさえ合格することが出来なかった事に起因する。
僕はなんとか高校に通うべく、家族や友人のもとを離れ一人でこの島での生活を始めることになったのだ。
この島は人口が少ないため、僕のような脳にシワが無い人間であろうと、高校は人数を揃えるため、無条件で入学させてくれるのだそうだ。
まさに、僕にとっての地獄に垂れた一本の蜘蛛の糸、といったところだ。
そして島に着いた僕は今、僕が通うことになっている「私立海深学校」の入学式のための準備をしている。
今日は四月二日。学校が始まるのは六日。一昨日この島に着いた僕は、既に自宅にある私物は整理し終えていたため、数日暇な時間が出来ていた。
都会にいた頃ならば、だらだらして一日を終えるのだけれども、それは「忙しい」と呼べる事が何一つなく、僕の周りに僕を気遣かってくれる人がいて始めて成立するものなのだと、ここに来て始めて知った。
僕は、幼い頃から馴れ親しんでいた都会を離れ、高速フェリーで三時間の海に囲まれた島に来ることになった。
なぜこうなったのかと言えば、僕の中学校三年生の時点においての成績が非常に悪く、志望していた公立校はもちろん、近場の私立高校にさえ合格することが出来なかった事に起因する。
僕はなんとか高校に通うべく、家族や友人のもとを離れ一人でこの島での生活を始めることになったのだ。
この島は人口が少ないため、僕のような脳にシワが無い人間であろうと、高校は人数を揃えるため、無条件で入学させてくれるのだそうだ。
まさに、僕にとっての地獄に垂れた一本の蜘蛛の糸、といったところだ。
そして島に着いた僕は今、僕が通うことになっている「私立海深学校」の入学式のための準備をしている。
今日は四月二日。学校が始まるのは六日。一昨日この島に着いた僕は、既に自宅にある私物は整理し終えていたため、数日暇な時間が出来ていた。
都会にいた頃ならば、だらだらして一日を終えるのだけれども、それは「忙しい」と呼べる事が何一つなく、僕の周りに僕を気遣かってくれる人がいて始めて成立するものなのだと、ここに来て始めて知った。