人魚の涙 ~マーメイ・ドロップ~
「みんな、今日は転校生二人の歓迎会だ!校舎はご案内するぞ――――っ!!」
集が叫ぶと共に、クラス中から歓喜の怒号が上がり、教室を我先にと抜け出してゆく。
ようやく解放された僕は、美姫さんと目が合うと、互いに歩み寄った。
「………なんで、こうなるんだろうね………?」
「ふふ………楽しそうで、いいんじゃない?」
美姫さんは、微笑みとも苦笑ともとれる笑顔を浮かべていた。
僕も笑い、彼女に賛同した。
「………それも、そうだね」
―――出来れば、二人きりが良かったけれど―――。
思いはするが、そんな事を本人の目の前で口に出せる勇気が、僕に有る訳もない。今回は諦めよう、と胸の中で呟く。
僕は美姫さんに合図して、本日の主役であるはずの僕らを置いて進む隼たちの下へ駆けていった。
―――教会から響く十二時の鐘が、島中に広がった。
集が叫ぶと共に、クラス中から歓喜の怒号が上がり、教室を我先にと抜け出してゆく。
ようやく解放された僕は、美姫さんと目が合うと、互いに歩み寄った。
「………なんで、こうなるんだろうね………?」
「ふふ………楽しそうで、いいんじゃない?」
美姫さんは、微笑みとも苦笑ともとれる笑顔を浮かべていた。
僕も笑い、彼女に賛同した。
「………それも、そうだね」
―――出来れば、二人きりが良かったけれど―――。
思いはするが、そんな事を本人の目の前で口に出せる勇気が、僕に有る訳もない。今回は諦めよう、と胸の中で呟く。
僕は美姫さんに合図して、本日の主役であるはずの僕らを置いて進む隼たちの下へ駆けていった。
―――教会から響く十二時の鐘が、島中に広がった。