人魚の涙 ~マーメイ・ドロップ~
―――この愛島には、美しい自然が溢れている。

分かっていたことではあったのだけれど、改めて隼達に連れられ島を回った事で、その思いはさらに強まった。
流石は地元住民、といったところか。僕が先日島を探索した時には見つけられなかった、たくさんの景色を見せてくれた。




それは例えば、海へと続く川の上流にある滝であったり、そのすぐ近くにある、海を望む小高い丘いっぱいに咲くハルジオンの花であったり。

いずれも、心がきゅっとなるような、きらきらと輝く美しいものばかりだった。
< 40 / 69 >

この作品をシェア

pagetop