人魚の涙 ~マーメイ・ドロップ~
「………ということが、あったんだ」








僕は帰り道、美姫さんに今日あったことを話していた。
美姫さんはこの話に興味をもったらしく、私も行っていいかと聴き出した。







「いいだろうけど………怖いよ、多分」

「大丈夫。私結構そういうの好きだし、それに何かあったら、流斗君が助けてくれるでしょう?」








彼女は楽しそうに目を細め、そう言った。………とてもじゃないが、僕がお化けが嫌いなことなんて、言えそうにもない雰囲気になってしまった。
どうしようもなくなり、僕もぎこちなく笑っていた。








「………まあ、それはいいとして。美姫さん来るにしても、女の子一人だよ?ちょっといづらいんじゃない?」








僕が流れを変えるようにそう問い掛けると、そうね………と彼女は顎を指で掴み考えるポーズをとった。








「確かにそうね………どうしようかしら?―――あっ!流斗君、危な………」








美姫さんがそう言い終える前に、僕は後ろから激突する何かに派手に吹き飛ばされた。
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