安田家の4兄弟
夜間のバイト
5月24日。朝5時。
オカンの声で目覚めた。
今までに見たことないような
真剣な顔で
『話がある』…と。
リビングのソファに座ら
され、隣にオカンが座った。
「こんな遅い時間にゴメンな。
ちょっと滉希に聞きたくて。」
ふとオカンの目をみるとオカンとは
思えない程の弱々しい顔だった。
「滉希は気づいてなかったと
思うけど、ここ7日裕希が
家に帰ってけぇへんねん、な。
それに携帯も繋がらんし。」
『気づかんかったわ…。
俺からも裕希に連絡してみる!
でも、多分大丈夫や思うで?』
俺が話終えるとオカンはいつもの
笑顔に戻っていた。
「ありがとう。
んじゃ!滉希はまた寝ぇ!
朝早よにゴメンやで。」
『ううん、全然良いよ。
うん、おやすみ!』
俺は部屋に戻ったけどあんな
オカンを見た後に寝つける訳もなく
ただベッドで裕希を考えた。
その後メール、電話したけど全く
裕希は出なかった。
それからも裕希から返事が
くることはなかった。