砂嵐のいたずら~眠れない夜~
それからは、仕事から帰ると、荷物の整理に励んだ。
時間を忘れ、一心不乱に荷物をまとめた。
チャールズには言えなかったんだけど、
私に日本に戻って来て欲しいと、元上司から何度も要請があった。
昔の私だったら、即決して帰ったと思う。
でも、チャールズと離れたくなかった。
だから、日本での添乗が多くなってもロンドンを離れたくなかった。
あなたの隣にいることが、どんなに幸せで、刺激的なのかを知ってしまったから…
「チャールズ…」
涙が後から後から溢れてきて、頬を伝っていった。